Vol.5 続・心に残る歌

 中村雅俊の歌った『俺たちの旅』は、テレビドラマ「俺たちの旅」の主題歌である。作詞作曲は小椋佳。

 ドラマは1975年1月から1年間放送された。主人公(中村雅俊)は大学を出ると共感する若者3人と「何でもやる会社」を立ち上げる。そういう自由な生き方は当時の多くの若者から支持が得られた。その背景には、そのようにフリーターのような形でも食べていける社会になりつつあった時代の流れがある。窮屈な会社社会でキリキリ生きるだけが人生ではないという考えがひろがりつつあった。

 少し上の世代からすると、「そういう生き方ができるのも俺たちが死に物狂いで頑張ったからだ」ということになるが、そういう世代間の葛藤も描かれていて、見る人に問題提起にもなっている。

 この歌詞の内容についてはなかなかわかりづらいところがある。他者の解釈も参考にすると以下の通り。

「若者の歩む道というのは夢や希望で溢れてまばゆいくらいだが、その先には険しい山道が待ち受けている。これまでを振り返っても、何かを成し遂げたという足跡があるわけではない。これからの困難な道のりの中で何か少しずつ成し遂げ、それらを重ね温めて成熟させていく。そんな姿を故郷の誰かが見守ってくれている」

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