Vol.78 サッカーの続き

 W杯サッカー決勝トーナメント1回戦、日本はPK戦でパラグアイに惜敗した。一人だけPKをはずした駒野選手は号泣。他の日本選手たちが入れ替わり立ち替わり慰めている姿が印象的だった。その様子はその後の番組でも繰り返し放送されたが、その映像の中に一人のパラグアイ選手が駒野選手に声を掛けている場面があった。何と言っていたかは分からないが、それは涙に暮れる同選手に対する心遣いでもあり、紙一重で勝負を分けた敗者に対する敬意の現れでもあったように思う。

 さて試合後のインタビューで何人かの日本選手がチームワークという言葉を口にしていた。個々の力では世界との間にはまだレベルの差があるが、日本はチームワークという団結力で決勝トーナメントまで進んで来たことを訴えていた。

 その強い団結力は我々日本人の目には和の精神と映った。すなわち『仲間意識を持って協力し合って困難なことにも立ち向かう。そして辛い気持ちも分かち合う』というものだ。今回の日本代表のチームワークを見て『そういう団結力が今の日本の企業にあれば』と思った人たちもいたようだ。

 それは経済に懸念を抱く人から出た思いだが、私自身は治療現場で病的状態に陥った人たちに接していて次のように感じている。欧米化に伴って個人主義が日本の組織の中に浸透してきた。そのためにミスも病気も自己責任とされて個人は組織という表舞台から切り離されて行く。

 あらためて今回の日本代表を見てみるとPKでミスをした選手をみんながどれだけ支えてあげたか。ミスを自己責任として済ませないでみんなで分かち合った。そのようにただ個人主義を貫くのではなく和の精神が入り込んだところに日本サッカーの独特性があるように思う。

 そういう日本の独自性はこれからの企業にも必要とされるのではないかと思う。個々人を尊重せずして団結力は生まれず、団結力なくして発展は望めない。そんなことを日本サッカーが示してくれた気がする。

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