Vol.71 アニメ(パート2)

 人気アニメ『ワンピース』のテーマの一つは“絆”だ。7人のメンバーは悪者と闘うことによって仲間の絆も強くなっていく。もともと彼らは自己主張の強い一匹狼タイプなのだが、最強の悪者を倒すためにチームワークを組む。しかしチームワークを組みながらも各自は一匹狼らしく自分のできることを精一杯やっていく。つまりそれは自分の役割を果たすことを意味する。それは他のメンバーを信頼していないとできないことだ。そこにお互いの信頼感と仲間の絆が生まれる。以上のようにして一匹狼とチームワークとが矛盾することなく結びつく。

 一方、この『ワンピース』を観て連想するのは“学生運動”だ。というのは両者とも人は世の中に出て“闘う”体験をするという意味合いがあるからだ。さらに“学生運動”もチームワークなので仲間の絆が芽生えたこともあったかもしれないが、結局は逆に仲間同士の争いをもって終焉してしまった。仲間同士の信頼関係の崩壊だ。事が思い通りに運ばないと責任転嫁したくなるのが人間の心理のようだ。

 ところで参考までに“学生運動”について要約すると次の通り。1960年代から70年代にかけて起こった。もともとは研修医制度改革に端を発したのだが、それに安保闘争という政治問題が結び付いた。より良い制度を作ろうという強い思いからであったことには間違いない。

 しかし“学生運動”はあくまでも“デモ”であり民衆の支持を得るためのものだったと思うのだが、余りに過激的な行動に走ったり仲間同士の争いを起こすなどして暴走した。一般国民の支持が得られなければ何の意味もなくなる。次第に初期の目的から外れて一部は犯罪集団と化し、あの有名な『浅間山荘事件』を契機に“学生運動”は消滅した。この事件は2002年に映画化され最近テレビでも放映されたので記憶に新しい。

 この運動に参加した学生たちのその後は?彼らの証言を集めた『全共闘白書』(新潮社)を読むと、その中に「そういう時代の変革の中に自分が参加できたことを誇りに思う」という回想がある。そこには満足感が存在することから察すると貴重な体験をしたと感じた人がいたことは確かのようだ。

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