Vol.68 テレビドラマ(パート6)

 人の心の中には“悪いもの”が存在する。と、そんなことばかり聞かされると何だか人間が怖くなってくるが、しかしいつまでも悪いままである訳ではない。そのうち何らかのきっかけに改心されて“悪いもの”は“良いもの”に変わっていく。

 イジメを扱ったドラマ『泣かないと決めた日』でもその改心の様子が描かれていた。罪悪感を覚えて自らイジメを止めた女性同僚もいた。しかしそう簡単にはいかず最後まで「何で新人のサポートをしないといけないんだ!」と怒りをぶちまけていた男性同僚がいた。おそらく彼自身が新人のころ助けてもらえなかったのだろう。そして助けてくれなかった人たちは彼の心の中では“悪いもの”として存在することになった。そしてその“悪いもの”はイジメという形で吐き出されることになった。

 このときイジメ人間に必要なのは彼の中の“悪いもの”が心の広い人に受け止められることだ。そうすれば広く良い心の中で“良いもの”になる可能性が出てくる。ところでその“悪いもの”とは一体何なのか?その成り立ちを分析的に振り返ってみよう。思うにイジメ人間は子供の頃から抱えてもらったという経験に乏しいのだろう。その結果抱えてくれなかった大人たちは“悪者”すなわち“悪いもの”となって子供の中に存在している。

 そんな人は何かのきっかけで心の中の“悪者”に自分自身が成ることによって誰かを攻撃する。それがイジメだ。このドラマでも主人公は攻撃されて崩壊しそうになった。しかし主人公はその困難な状況に持ちこたえた。このとき主人公の中で何が起こっていたのだろうか?まわりで支えた人たちは主人公の心の中の“良い部分”となり侵入して来る“悪者”から主人公を守った。その主人公の立派な姿から“良い部分”をイジメ人間が取り入れることができれば、イジメ人間の中にも“良いもの”が出来上がる可能性がある。

 以上のように多分にゴチャゴチャした内容になったが、とにかく必要なのは“悪いもの”も抱えてくれるふところの深さだ。いかに“悪いもの”も抱えられれば“良いもの”に変わる可能性がある。結局、このドラマにおいてもイジメ人間は主人公に逆に抱えられて改心して行ったと言えるだろう。

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