Vol.58 いろんな角度から物ごとを見ること

 「いろんな角度から物ごとを見る必要がある」とはよく言われる言葉だけれども、実際に我々がちゃんとそれができているかどうかは疑問だ。従ってこの言葉はあらためて考え方の柔軟さの必要性を説いたものだろう。

 そしてもう少し言葉を付け加えれば「いろんな角度から見なければ物の本質が見えない」とか「まわりが見えなくなる」とかいうようなことになるだろうか。我々は世の中に出て困難に出会うことになるが、そのときいろんな角度から物ごとを見ていくことによってその難局を乗り越えることになるだろう。

 特に私がこの「いろんな角度から物ごとを見る必要がある」という言葉を印象深く聞いたのは物理学の先生からだった。もともと物理学が自由な発想を求められる学問であり、その先生も「いろんな角度から物ごとを見る自由な発想が必要だ」と言いたかったのだろう。我々のような普通の人にとって物理学の内容が社会に出て直接役に立つとは考えられないが、物理的に考えることが柔軟に物ごとを捉える助けにはなっているように思う。

 さて時間について言えば時間も常識では考えられない面を持っている。つまり時間は一定の間隔で刻まれているのではなくゆっくり刻むこともあるということだ。映画『猿の惑星』ではロケットで宇宙旅行をしている間に地球上の時間はどんどん過ぎてしまい、そのロケットが地球に戻って来たときには人類の文明は滅んでしまっていた。

 もしそのロケットが1年後に地球に戻って来たとき地球上で100年が過ぎていたとすると、そのときロケットの速度はどれくらい必要になるだろうか?参考までに次の公式を使って算出してみる。

 T=t÷[1ー(v/c)の2乗]の平方根

( T;ロケット内の時間、t;地球上の時間、v;ロケットの速度、c;光速度 )

 この式でT=100、t=1と代入してvを出すとv≒0.9999cとなる。すなわち光速度cの99.99パーセントに近い速さで飛び続けなければならない。しかしこのようにほとんど光速度に近い速さでロケットが飛ぶことは現実的にはあり得ない。だが、もしそんな速さで飛べば100年後の地球にたどり着くことになるんだと考えるだけでも楽しくなる。

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