Vol.57 常識では考えられないこと

 常識では考えられないことは物理の世界にもある。私自身理学部時代に物理を勉強していた。成績の良い学生とは縁遠かった私だが、特に印象深く記憶に残っているのがあの有名なアインシュタインの相対性理論だ。その考え方によれば時間というのは一定のリズムで刻んでいるわけではなくゆっくり経過することがある。

 例えば高速度で飛んでいるロケット内では地球上より時間の経過が遅くなると言う。そしてロケットの速度が速くなればなるほど時間はゆっくり進む。従って地球上にいる人たちはロケットの乗員よりずいぶん早く年を取るということになる。

 そんな常識離れした話を題材にした映画が昔あった。アメリカ映画『猿の惑星』だ。地球を飛び立ったロケットがしばらくしてある惑星に辿り着いたのだが、乗組員が目にしたのは崩壊した地下鉄や自由の女神像だった。実はそこは人間文明が滅んでしまった未来の地球だった。つまり高速度でロケットで旅している間に地球上の時間が早く経過していたのだ。そして今や猿が人間を奴隷として支配する世界に変わっていた。

 ところでアインシュタインは学校の成績は余り優秀ではなかったようだ。そういう話を聞くと何かホッとするものだが、アインシュタインは既成の学問の習得より自由な発想の持ち主だった。だからこそ常識では考えられないような真実を自然界に発見した訳だが、私のような凡人にできることは常識に囚われることなくいろんな角度から物事を見ていくことだ。そうすることによって物事の本質を見落とさいよう心掛けるしかない。さらにそれと同じことが自分自身についても対人関係についても言えるだろう。

 さて参考までに時間がゆっくり進むという現象についてもう少し触れておきましょう。普段我々が体験するのは次のような現象だ。例えば我々が時速50キロで車を走らせているとき、対向車が時速50キロですれ違えば我々は相対的に100キロに感じる。また対向車が時速100キロであれば150キロに感じる。

 しかし光の場合はそのような足し算にはならず常に一定であると言う。すなわち光の速度は観測者の動きに関係なく一定である。つまり我々が何か乗り物に乗って光に近付こうが遠ざかろうが光の速さは同じなのだ。これは実際に実験で証明されている。この常に光速度は一定であるという特性を使ってロケット内時間Tは下記のように導き出される。

  T=t÷[1ー(v/c)の2乗]の平方
 ( T;ロケット内の時間、t;地球上の時間、v;ロケットの速度、c;光速度 )

 以上の公式でvの値が大きくなれば引く数も大きくなり分母が小さくなるのでTが段々大きくなる。つまりロケットが高速になればなるほど時間が遅くなる。興味のある方であれば御自身でこの公式を導き出すことができるでしょう。

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