Vol.54 希望(パート2)

 希望は対人関係とも関わっている。そのことについて『希望学』(東大社研)の中で論じられている。対人関係の中でも友人関係と希望との間には特に密接な関係にある。利害関係のない友人関係というのは自分の本当の姿が出てくる。そして『自分が存在していいんだ』とお互いに認め合う関係となる。それは自分の存在を自覚できる機会となる。そんな友人が三人もいれば大丈夫だと言う。つまり友人の存在が将来に対する希望につながる。

 一方、友人の他に重要な対人関係が家族との関係だ。しかし近年伝統的な日本の家族関係が揺れつつある。つまり『子供は大人しく親の言うことを聞いていればいい』という考え方がだんだん通らなくなってきている。というのも現代は自分の意見を求められる欧米型社会に移行しつつあるからだ。

 そこで今後の家族に求められることは何なのだろうか?私自身はやはり『失敗してもいいからやってみろ』という親の姿勢ではないかと思っている。そのことは『ダメだったらまた一緒に考えよう』ということであり、その信頼感が困難なときに本人の心の支えになる。そんな心の支えがあれば挫折してもまた次の希望に向かっていくことができる。

 以上のように友人や家族という対人関係は社会に出てからの困難な状況を乗り越えていくための心の支えとなる。しかしいったん組織内で起こった対人関係の問題に対しては組織内で解決していくシステムも必要となる。その一つとしてカウンセラーが存在しているが、今後はさらにその充実が期待される。

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