Vol.52 話し合い

 昔から家族療法というものは存在していた。すなわち治療の現場で本人以外に家族を交えて話すというものだ。しかし最近の事情は少しずつ変わりつつあるように思う。それは本人とその職場の関係者とを交えて話をする機会が増えたということだ。そのことは病気が本人や家族の問題だけでなく、社会的環境と深く関わるようになったことを意味している。とりわけ本人にとって一番身近な職場の問題が大きく関わっている。

 私自身これまで治療というのは本人を中心に考えてきたように思う。つまり本人に問題があるから病気になるという“自己責任論”である。従って「本人自身が取り組まなければよくならない」ということをよく口にした。

 しかし時代は変わりつつある。近年の停滞化した社会の中で多くの人たちが疲労している。そのことを考えると本人側にだけ病気の原因があるとするのは片手落ちとなる。
 そして実際に私が本人の職場の関係者を交えて話をして思うことは、その職場側も理解を示してくれるということだ。そのことはテレビ番組などを見ても報道されるようになっている。これもまた時代の流れなのだろう。

 ところで職場が病気とどのように関わっているのだろうか?職場のどこに問題があるのか?いろんな情報からすると一般的なストレスの原因と同じように人間関係や過剰な負荷などであるようだ。

 従って本人は“自己責任”として自身が苦手としている人間関係の問題に取り組むことになり、一方で「仕事の負担を減らす」とか「配置転換」などを配慮を職場側が行うようになってきている。そのように時代の流れが変わりつつあると私自身は感じている。

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