Vol.46 掛け声

上の桜島の写真は日豊線の列車内から撮ったもの。久しぶりに桜島の雄大な景色を見ると確かにこちらの心がゆったりしてくる気がしてくる。ところで鹿児島には『チェスト行けーッ!』という掛け声がある。私が鹿児島大の弓道部に入ったときに初めて聞いた言葉だ。対外試合のときにこの掛け声で臨んだ。これは他のスポーツのときにも気合いを入れるために使われる掛け声で「ソレーッ!」とか「オーッ!」というような意味のようだった。

 それには言い伝えとなっている逸話が存在する。有名な関ヶ原の戦いで西軍の敗色濃厚となったとき島津軍が約千5百の手勢で約10万の敵の本陣を突破したときの掛け声が『チェスト行けーッ!』だ。敵に背を向けて退却することを潔しとせず敵中突破を図った。

 この逸話は“妙円寺詣り”という行事となっている。多くの市民が鹿児島市から島津家の菩提寺である妙円寺まで約42kmを歩いて往復する。この行事は江戸時代から続いていて苦難の歴史を偲ぶものであるが、それと同時に「困難な状況にも立ち向かう」という伝統的な精神の現れのように思える。

 ところで私が鹿児島から宮崎に住所を移したとき御世話になった不動産屋さんの話が印象的だった。その方によると「何か難しい仕事が起こったときに誰かやる人がいないか聞くと手を挙げるのは鹿児島出身の人である」と言うことだった。これも『チェスト行けーッ!』の精神である。

 この話からすれば“薩摩”の人は難しいことを買ってでもやろうとするが“日向”の人はそうではないということになるだろうか。私自身は宮崎出身であり鹿児島にも長く住んだ体験からすると確かにそのことは当たっているような気がする。従ってこの『チェスト行けーッ!』の精神は我々が是非学び体得したいことの一つだろうと思う。

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