Vol.44 趣味

 趣味と言えば多くの人たちにとって身近かで一般的なものがカラオケだ。私自身もカラオケ大好き人間であり時々気分転換のためにカラオケに出掛けることがある。

 先日は久しぶりに鹿児島の知り合いを訪ねたのを機会に繁華街“天文館”に出掛けた。以前と比べて繁華街は様変わりしており私が昔から知っている店はなくなっていたので新しい店を探し廻ることとなった。そして電光掲示板を頼りにようやく一軒の店にたどり着いた。初めて入る店ではあったが和服姿の若いママさんに「いらっしゃいませ」と笑顔で快く迎えられて我々もすぐに気持ちが和らいだ。

 そしてさっそくカラオケタイムに入るのだが、我々の歌う曲と言えば年相応のムード歌謡や演歌となることが多い。かなり昔の曲になるが例えば石原裕次郎『赤いハンカチ』、竜達也『奥飛騨慕情』、北島三郎『風雪流れ旅』等々。また今回入った店の名前が“ニュー王将”だったこともあり村田英雄の『王将』も飛び出した。しかし店のママさんは若すぎて『王将』という曲があることを知らないようだった。

 これらの歌はどんな内容を歌ったものか?『風雪流れ旅』は盲目の津軽三味線奏者の苦難の人生を歌ったものであり、『王将』は吹けば飛ぶような将棋の駒に人生を掛けた浪速男の物語を歌っている。それらの歌のイメージは苦労を重ねながら自分らしさを貫こうとする男の姿を描いていると言っていいだろうか。

 ところでカラオケでは多くの人たちが自分の気持ちを歌によって表現しようとしているものだが我々もまた自分の姿を重ねながら歌っているのだろう。特に今回のカラオケの選曲に我々の気持ちが込められていたのだろうか。ずいぶんと青臭く手前味噌な感じになるけれども我々はこの年になってもまだまだ自分らしく生きたいという気持ちを持ち続けているのだろう。そんなことを今回のカラオケの場で再確認できた気がする。

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