Vol.30 自己形成(パート4)

 人間関係の中で闘うためには自己を知り相手を知る必要がある。自分に闘う力はあるのか?闘う準備はできているか?どうして闘えないのか?そんな疑問に精神分析が一つの答えを与えてくれる。それがあの有名な“エディプスの葛藤”だ。子供の頃の親との葛藤は子供の中に超自我をつくると同時に、子供が“闘う”体験をする機会でもある。一般的に反抗期と言うが、その段階をちゃんと踏んでいなければ闘う力が不足していることになる。

 とにかく人間関係上にはもめ事が多い。しかしもめ事はイヤだと避けてばかりもいられない。もめ事が起こったときやうまくいかないときに宝物がある。どこかで聞いたようなセリフではあるが、確かにその言葉には一理ある。もめ事から何か学ぼうとする前向きな姿勢がよい。

 まずは自分の内面に目を向ける。そうすれば自分に起こっている感情や情動を見つめるチャンスとなる。その感情は一体どこから生じているのか?その一つとして転移現象が考えられる。過去の重要な人物との葛藤が現在の人間関係に転じて移ってくるのでややこしい。つまりこちらが相手に怒りを覚えたときは、それは本来は過去の誰かに対する感情である可能性がある。

 あるいは、自分に起こった怒りの感情が実は相手の感情である可能性がある。すなわち相手の感情が投影されているかも知れないからだ。また相手が悪者に見えたときもすぐに反応して攻撃しないでちょっと考えてみたい。それは自分の悪いところを投影した結果それが相手のものであると思い込み、相手が悪者に見えているのかもしれない。そういうように自分に起こった不快な感情をも相手を知る情報源としていく。そのとき十分に考える余裕が必要だ。そんな力を身に付けることも自己再形成となるのだと思う。

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