Vol.11 行動療法

 行動療法は心身症においてよく行われている。人に刺激(ストレス)が加わると、それに反応して不安、怒り、嫌悪などの情動が起こる。さらに身体が反応して動悸がしたり呼吸が早くなったり血圧が上がったりという症状が出ることがある。それは本能的な心と身体の反応でもある。普通は一時的なものなので刺激がなくなれば症状も軽快する。

 しかし症状が続く場合がある。それが心身症と言われ、心臓神経症、気管支喘息、高血圧、胃・十二指腸潰瘍などがある。一方、これらの病気になるということはストレスから解放されることでもある。それは誤った対処の仕方が学習されたことを意味する。

 従って学習し直して症状が持続しないようにするのが治療となる。基本的には望ましい対処行動を取れば賞賛(強化)し、望ましくない対処行動に対しては注意する(嫌悪刺激を与える)などして除去していく。

 例えば拒食症では食べないことでストレスに対処しようとしている。だから治療においてはしっかり食べて体重が増えれば誉めてあげたり禁止していた散歩を許可したりする。一方、体重が減ればその理由を検討するものの、さらに禁止事項を増やしたりして行動制限していく。

 また、症状だけでなく考え方や対処の仕方についても検討していく。完璧主義だったり“白か黒か”という極端な考え方があるので、その中間を取るようにする。

 また主なストレスの原因は対人関係である。人間関係に対する心身症のPt(患者)の考え方は特徴的だ。すなわちそれまでの生活の中でPtは『人間関係においては何ももめごとが起こらないことが良いことだ』と考えている。自分の意見を言えば相手と衝突することが多いので相手に合わせることになる。そこで集団主張訓練というものが行われる。例えばPtや治療スタッフが一同に集まって、その前でPtは自分の意見を言う練習をする。

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