Vol.10 嫉妬と羨望

 嫉妬jealousyと望envyとは混同しやすい。嫉妬というのは男女関係などの愛情感情のからんだ三者関係で使われるのが一般的である。“三角関係”では嫉妬して恋敵を追っ払おうとすることが起こる。

 一方、羨望はメラニー・クラインによって精神分析的に論じられている。それは三者関係というよりは二者関係である。誰かが自分より良いものを持っているとか優れた面を持っているとかいうとき人は羨ましく思うものだ。さらに羨ましさの度が過ぎれば良いものを持った相手を破壊しようとすることも起こりうる。それが羨望である。

 しかし破壊してしまえばその相手から何も得ることがないので本人は成長しないことになる。本来人は相手の良いところや優れたところを取り入れて自分自身のものにしていくのだから。

 この羨望は乳児期の頃から出現していて子供の成長を左右している。それが大人になっても強く残っていた場合、羨ましく思った相手の“足を引っ張る”とか、嫌みを言ったり悪口を言って相手を陥れようとするとかいうことが起こってくる。その姿は“負け惜しみ”のような様相を呈するかもしれない。

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